メダルを手に取ると周囲がまばゆい光でつつまれた。

司会が戻りはじめるとそこにぼんやりと
どこかの部屋が映し出されるように見えた。

ここは、寝室だろうか。
誰かがベッドの中でシーツにくるまって寝ている。

(ガシャン!)

その部屋に金属がぶつかる音が響いた。

「ん・・・んん〜」

その音に気付いたのか
そこで寝ていた者が体を起こして言った。

外の空が深い青色から紫がかった色に変わりはじめ、
部屋の中がうっすらと次第に明るくなっていく。




黄金の鎧に身を包んだ男が、外を見ながら話す。

「例の事件・・・、
 ロマノフ氏によるとあの魔物は悪しき者によって
 作られたとの見解だ。

「あの魔物たちが作られている疑いのある場所も
 いくつか特定された。

「すでにエリーザは単身で調査に出たようだ・・・。

「私の部隊もすぐに出なければならない」

美しい容姿の女性はその話を聞くと
しばらく口をつぐむ。

だが顔を上げると笑顔で言葉をかけた。

「・・・分かったわ、
 この学校のためにもお願いね。

「それから、帰ってきたら・・・
 しましょうね。」

鎧の男は顔の色を隠すように仮面を頭にかぶり、
返事をする。

「君も、本当に好きだな」

「ふふっ。
 だから私はアカデミーでもそれを任されているのよ」

和むような空気に包まれていたが、
外からかかった声にそれはかき消される。

「ウィーズ隊長!出発準備が整いました!」

そして鎧の男は、部屋の扉に手をかけて言った。

「すぐに戻る・・・
 とは言えないが、待っていてくれ」

「貴方の妻ですもの、信じてるわ」

その背に向かって言うと扉が閉ざされ、
金属のぶつかる音が次第に小さくなっていった。

音が聞こえなくなると彼女は横たわり、
シーツの中に顔を埋めた。

そして真っ白な布が、
次第に点々と色を変えていった。


声が途切れると、再び周囲が光につつまれた。

目を開くと元の場所にいる。

今までの光景は夢か幻か?

手に入れたメダルを気にしながら、
その場を離れた。

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