メダルを手に取ると周囲がまばゆい光でつつまれた。
どこからか人の声が聞こえる。

人々の歓声が聞こえる。

ここは、ある記録を塗り替えた少女を
表彰する会場であった。

会場に姿を見せたその少女を見た人々がどよめく。




「え?本当にあの子が賢者に!?」

「見た感じ、12歳くらいだけど・・・」

「あれ?今まで賢者達成の最年少記録も
 それくらいの子じゃなかったっけ?」

「あの子、いくつなの?」

観衆がひそひそと話す中、
少女はマイクを向けられるとこう言った。

「名前はリディア、4歳です!」

さらに会場はどよめくが
舞台に立つ男がマイクを持ち、
それをさえぎる。

「あー、皆様ご静粛に。

「よくご覧になれば分かると思いますが、
 彼女は我々人間とは異なる種族、
 エルフ族の方であります。

「彼女たちの事をご存じない方に説明しておきますと
 エルフの方々は、
 我々人間の3倍の早さで成長されるのです。

「しかも、6、7歳ごろからその成長は次第に収まり
 100年ほど見た目も変わらないという何とも都合
 よい・・・ゲフンゲフン・・・、羨ましい体質なのです。

「それはさておき、彼女の素晴らしいのはその成長の
 早さをも凌ぐ知力と魔力です。

「賢者が多いエルフの中でも彼女、
 リディアさんの学習能力は特に優れておられ・・・

「すでに大人顔負けの
 知識と気品を持っていらっしゃいます!

「この可愛らしい賢者に、今一度盛大な拍手を!」

惜しみない賞賛をあび、
少し照れくさそうなリディアに男が問いかける。

「さて、賢者としてこれから行いたい事は
 何かございますか?」

そしてリディアは、にこやかに答えた。

「そうですね・・・
 あのアカデミーの教師に就きたいと思います。

「それで、おバカさんたちに
 色々な事を教えてあげたいですね」

・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

会場が一瞬静まりかえった。

しかし、リディアは満面の笑みを浮かべ満足そうだ。


声が途切れると、再び周囲が光につつまれた。

目を開くと元の場所にいる。

今までの光景は夢か幻か?

手に入れたメダルを気にしながら、
その場を離れた。

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