メダルを手に取ると周囲がまばゆい光でつつまれた。

どこからか何か音が聞こえる。

「グオオオォォォン!」

猛獣のような鳴き声をした何かが
近くを通り過ぎた。

「はっ!」

その直後、
誰かのかけ声がすると共に
それを追う者が現れた。

瞬時に二つの距離が縮まると
先に姿を見せていた方がくるりと向きを変えて
追ってきた者に飛びかかる。

「グガアアアァァァッ!!」

だが飛びついたその先にはすでに誰もおらず
その影は相手を見失う動きを見せた。

激しい閃光が辺りを照らし爆音と衝撃が走る。

その光によって浮かび上がった
追われていたものの正体は猛獣ではなく
魔物と言うべき姿をしていた。

魔法の衝撃にひるみながらもその魔物は
高く跳ね上がりその距離を拡げようとする。

「やぁっ!!」

しかし、それを追う者はさらに高く飛び上がると
腰の物を引き抜き頭上に高く掲げる。

「はあぁぁぁっ!!」

威勢のいいかけ声と共に、
剣が魔物めがけて勢いよく振り下ろされた。

そこには鎧を身にまとったエリーザの姿があった。

魔物は真っ二つになると同時に大爆発をおこし
姿を消したようだ。

「ふう・・・、
 この辺りもかなりの被害が出てしまったようね」

エリーザは体を起こし辺りを見回す。





魔物によって荒らされたのであろうか、
周囲は巨大な嵐でも通り過ぎたかのようだった。

「人為的に魔物たちが凶暴化させられている、
 というよりも・・・

「”凶暴な魔物が作られている”と
 言った方が正解のようね。

「これはもう、ウィーズの部隊が
 本拠地を特定する事に期待するしかないわ・・・」

エリーザは空をしばらく見つめてつぶやく。

「あの魔物たちを生み出したのは魔法、
 その魔法を使ったのは人間・・・。

「あのアカデミーで起こってしまった
 悲しい事故を繰り返さないためにも・・・」



声が途切れると、再び周囲が光につつまれた。

目を開くと元の場所にいる。

今までの光景は夢か幻か?

手に入れたメダルを気にしながら、
その場を離れた。

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